2017年東京都議選分析 都民ファースト圧勝と自民惨敗の原因
2017年の東京都議選は以下の結果。
都民ファースト:55
自民:23
公明:23
共産:19
民進:5
維新:1
生活者ネット:1
都民ファーストが圧勝、自民党と民進党が惨敗、公明党、共産党は堅調という結果でした。
都民ファースト圧勝、自民党が惨敗、共産党が漁夫の利を得るというトレンド自体は読めていたのですが、その程度が予想よりはるかに大きかったですね。
あまりにも都民ファーストが強すぎた。
都民ファーストが二人区までことごとく独占し、自民党がまさかの23議席というのは予想できませんでした。
この辺りは選挙の予想をしている者として反省し、次への教訓にしなければいけないと考えています。
さて私自身の反省の弁はこれくらいにして、都議選から一日経ちましたので、都議選の分析を行います。
自民党惨敗の要因
まず自民党がなぜここまで大敗したのか。国政の問題も大きかったと思いますが、選挙戦術の失敗も挙げられると思います。
以下の3選挙区の結果をご覧ください。
板橋区
民進:28,003 当
自民:27,521 落
自民:23,383 落
品川区
共産:22,896 当
自民:19,362 落
自民:15,565 落
目黒区
共産:18,572 当
自民:14,455 落
自民:13,912 落
情勢が厳しいにも関わらず二人擁立して共倒れしています。この3選挙区は一人に絞っていたら余裕で当選できていたでしょう。
現職二人から一人に一本化するのは大変難しい作業ではありますが、それを踏まえてもこのような結果が出たことは選対の失態でしょう。
また、都民ファーストがあまりにも勝ちすぎて共産党が予想以上に漁夫の利を得ました。
以下の選挙区の結果をご覧ください。
北区
都フ:56,376 当
公明:34,501 当
共産:30,374 当
自民:29,135 落
豊島区
都フ:44,556 当
公明:20,381 当
共産:20,139 当
自民:18,647 落
中野区
都フ:44,104 当
公明:24,647 当
民進:23,874 当
自民:22,535 落
三鷹市
都フ:30,356 当
民進:21,094 当
自民:18,223 落
北多摩第一
都フ:39,492 当
公明:32,773 当
共産:23,500 当
自民:22,415 落
北多摩第三
都フ:45,358 当
公明:30,431 当
共産:26,974 当
自民:26,328 落
北多摩第四
都フ:26,031 当
共産:19,674 当
自民:18,205 落
これらの選挙区に共通することは都民ファーストが大差で圧勝しており、自民党が接戦で競り負けています。
今まで自民党に投票していた保守票があまりにも都民ファーストに流れすぎた。
あとほんの数%でも保守票が自民党に留まっていたらこれらの選挙区でも自民党が当選圏内に滑り込んでいました。
それと同時に、共産党が議席を伸ばしたのは都民ファーストがあまりにも大差で勝ちすぎたということが要因の一つと言えるでしょう。
前回の都議選と比較
議席に絡んだ主要政党の得票数を前回と比較してみます。
2013年
自民党:1,633,303
公明党:639,160
共産党:616,721
民主党:690,622
みんなの党:311,278
生活者ネット:94,239
日本維新の会:374,109
2017年
都民ファースト:1,884,029
自民党:1,260,101
公明党:734,697
共産党:773,722
民進党:385,752
生活者ネット:69,929
日本維新の会:54,016
自民党が40万票減らし、民進党も30万票減らした。
民進党が減らした30万票のうち、15万票が共産党に流れ、残りの15万票が都民ファーストに流れた。
自民が減らした40万と民進から流れた15万、それに維新が減らした30万とみんなの党の30万。
計115万に投票率が上がった分の無党派票70万ほどが都民ファーストに乗ったというのが投票結果から見る分析になります。
自民党や政権にとって打撃ということばかり言われていますが、これを見ると野党側も厳しい結果であることがわかると思います。
国政における野党共闘の枠組みで考えれば民進党+共産党の合計票数では前回を下回っているわけですから。
都民ファーストの会が今後国政に出てくるかは今後の推移を見なければわかりませんが、既存野党は自民批判票の受け皿にはなれなかった。
これは国政の枠組みでみれば与党と共に野党も反省すべき点でしょうね。
大阪で維新が躍進した時もそうでしたが、勢いのある第三勢力が出てくるとわりを食うのは自民と民進だということがはっきりわかる結果になったと思います。
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