2018年沖縄県知事選の情勢と予想
翁長雄志前知事の死去に伴う沖縄県知事選が9月13日告示・30日投開票という日程で行われます。
国政与党が支持する佐喜眞淳氏と、いわゆるオール沖縄が支持する玉城デニー氏の事実上の一騎討ちと言われていますが、その情勢を見ていき、結果を予想していきます。
まず前回の県知事選の得票数をおさらいしましょう。
翁長雄志 360,820票
仲井眞弘多 261,076票
下地幹郎 69,447票
喜納昌吉 7,821票
前回の翁長氏と仲井眞氏との差は約10万票。
この10万票差がひっくり返るかどうかというのが事実上の勝敗を分けるポイントになります。
前回との差
前回に比べると国政与党側が支持する佐喜眞淳氏に有利な点が多く見えてきます。
・前回自主投票だった公明党が今回は佐喜眞氏支持
・前回出馬した下地氏が今回は佐喜眞氏を支持
・かりゆしグループがオール沖縄から離脱
・18歳選挙権の導入で若者の比率が上がった
以上のような材料から佐喜眞氏は前回の仲井眞氏と比べても票を積み増すことが予想されます。
公明党の2017年衆院選における比例票は約10万票。
これが自主投票だった前回は5:5、佐喜眞氏推薦の今回は7:3くらいに割れると仮定すると前回と比べて差は4万票詰まります。
さらに前回の下地氏の約7万票が佐喜眞氏に5万、玉城氏に2万くらいの割合で割れるとしたらさらに3万票詰まる。
残りの佐喜眞氏に有利な2項目や玉城氏より早く選挙準備を進めていたことなども加味すれば前回の10万票差はひっくり返しうる差に思えます。
佐喜眞氏は26万票からどこまで上乗せできるかという戦い。
玉城氏は36万票からどこまで下げ幅を抑えられるかという戦いになるでしょう。
勝敗予想
佐喜眞氏の上乗せと玉城氏の減少をそれぞれ考えると、おそらく両者とも30万票台前半の勝負になりそう。
条件的には佐喜眞氏の方が有利に見えますが、玉城氏の方はなんといっても弔い合戦という強みがある。
弔い合戦という県民感情は侮りがたく、玉城氏がやや有利かというのが私の予想です。
地道に票を積み重ねる地上戦を展開する佐喜眞氏と弔い合戦、翁長氏の後継ということをアピールし空中戦を戦う玉城氏という構図になります。
また、新潟県知事選や名護市長選では事前世論調査では野党陣営がリードしていましたが、確実な地上戦を繰り広げた与党陣営が最後に勝ち切りました。
佐喜眞氏がしっかりと票を積み重ねて、最後に差し切るという展開も十分考えられます。
どちらが勝つにしてもおそらく接戦。
また基地問題を始め、今後の政局を大きく左右する今年最も重要と言って差し支えない選挙です。
選挙戦はまだ始まったばかりですし、情勢は日に日に変化していきます。
今後の情勢変化を注視していきましょう。
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