2021年衆院選 茨城、栃木、群馬選挙区情勢予想
次期衆院選の情勢予想です。本日は北関東のうち茨城、栃木、群馬の３県。
歴史的にも自民党が強い地域で、参院選でも自民党が大勝。
与党としては衆院選でも大幅に勝ちたい地域となる。
茨城県
茨城１区
水戸市（旧内原町域を除く）、筑西市、下妻市（旧千代川村を除く）、笠間市（旧笠間市域）、桜川市、常陸大宮市（旧御前山村域）、東茨城郡城里町が選挙区。
かつては自民党の赤城徳彦氏が地盤を持ち連続当選を重ねていたが、２００９年に敗れて引退。
現在は後任の田所嘉徳氏が３連勝している。
前回希望の党から出馬して敗れた福島伸享氏は今回無所属として出馬する。
共産党が候補を立てないため、その点は福島氏が有利に働くが、今回も田所氏の地力が上回ると予想。
当選予想
自民党：田所嘉徳
茨城２区
水戸市（旧内原町域）、笠間市（旧友部町・岩間町域）、鹿嶋市、潮来市、神栖市、行方市、鉾田市、小美玉市（旧小川町・美野里町域）、東茨城郡茨城町・大洗町が選挙区。
自民党の額賀福志郎氏が地盤を築いており、小選挙区制導入以降は２００９年以外全勝。
前回候補者を立てることができなかった立憲民主党は今回新人の藤田幸久氏を擁立するが、額賀氏に勝てる見込みは無いだろう。
当選予想
自民党：額賀福志郎
茨城３区
龍ケ崎市、取手市、牛久市、守谷市、稲敷市、稲敷郡、北相馬郡が選挙区。
保守層の多い地域であり、２００９年以外は自民党が全勝。
ここ最近は自民党の葉梨康弘氏が３連勝している。
立憲民主党は梶岡博樹氏、維新も岸野智康氏を擁立するが、葉梨氏の地盤は崩せそうに無い。
当選予想
自民党：葉梨康弘
茨城４区
常陸太田市、ひたちなか市、常陸大宮市（旧御前山村域を除く）、那珂市、久慈郡が選挙区。
かつて自民党の幹事長や官房長官を務めた梶山静六氏が強力な地盤を築いていた地域で、現在は息子の梶山弘志氏が地盤を引き継いでいる。
地盤を引き継いだ２０００年以降も連戦連勝で、前回も２位にトリプルスコア以上の差をつけて大勝。
今回も立憲民主党は擁立を諦め、共産党の大内久美子氏と維新の武藤優子氏が梶山氏に挑む。
しかし梶山氏が今回も強さを見せつけて圧勝するだろう。
当選予想
自民党：梶山弘志
茨城５区
日立市、高萩市、北茨城市、那珂郡が選挙区。
日立労組の支持を受ける旧民主党・民進党が強いエリアで、2000年から大畠章宏氏が６連勝していた。
その大畠章宏氏は前回引退を表明し、大畠氏の公設秘書である浅野哲氏が地盤を引き継ぎ、希望の党から出馬した。
そんな浅野氏を接戦の末に打ち破ったのが大畠氏に煮え湯を飲まされ続けてきた自民党の石川昭政氏。
約5000票差という僅差で競り勝ち、念願の小選挙区勝利を成し遂げた。
前回敗れた浅野氏は今回国民民主党から出馬するが、国民民主党には前回の希望の党ほどの勢いもない。
共産党も飯田美弥子氏を擁立することもあり、今回も石川氏が有利だろう。
当選予想
自民党：石川昭政
茨城６区
土浦市、石岡市、つくば市、かすみがうら市、つくばみらい市、小美玉市（旧玉里村域）が選挙区。
保守層が多い地域で、２００９年以外自民党が全勝中。
前回は丹羽氏が引退したが、後継の国光文乃氏もしっかり議席を守った。
しかし希望の党から出馬した青山大人氏も約6000票差と詰め寄った。
今回は青山氏が立憲民主党から出馬し、共産党も候補を取り下げる。
そうなると今度は青山氏が勝利する可能性が高い。
当選予想
立憲民主党：青山大人
茨城７区
古河市、結城市、下妻市（旧千代川村域）、常総市、坂東市、結城郡、猿島郡が選挙区。
野党系の中村喜四郎氏が強い地盤を築いている地域で、２００３年に斡旋収賄罪容疑が確定し収監・失職したが、出所後に再出馬した２００５年に再び当選。
それ以来当選を続けている。
対する自民党は永岡桂子氏が２００５年から中村氏に敗れ続けるも比例復活を続けている。
ちなみに永岡圭子氏は中村氏が失職した後に自民党から出馬し当選するも、郵政民営化法案に賛成した後に自殺した永岡洋治氏の妻。
直接の関係はないものの因縁の対決が続いている。
前回も中村氏は無所属ながら強さを見せて勝ちきった。
今回中村氏は立憲民主党から出馬するが、今回も中村氏が有利だろう。
当選予想
立憲民主党：中村喜四郎
栃木県
栃木１区
宇都宮市（旧上河内町・河内町域を除く）、下野市（旧南河内町域）、河内郡が選挙区。
作新学院理事長を務める船田家3代が続く保守王国であり、最近３回は船田元氏が連勝中。
今回の野党系は前回希望の党から出馬した柏倉祐司氏が維新から、前回無所属で出馬した渡辺典喜氏が立憲民主党から、そして共産党は再び青木弘氏を擁立。
元々船田氏が強い上に野党も乱立とあっては船田氏の勝利は固い。
当選予想
自民党：船田元
栃木２区
鹿沼市、日光市、さくら市、宇都宮市（旧上河内町・河内町域）、栃木市(旧西方町域)、塩谷郡が選挙区。
自民党と民主党が接戦を繰り広げてきた選挙区で、2012年は自民党の西川公也氏が勝利したが2014年は199票差という僅差で民主党の福田昭夫氏が勝利。
前回は無所属で出馬した福田氏が2014年次より票差を広げて勝利した。
西川氏は国政を引退して内閣官房参与となり、西川氏の地盤は後継の五十嵐清氏に引き継がれた。
しかし今回立憲民主党から出馬する福田氏を崩すのはまだ難しいと思われる。
当選予想
立憲民主党：福田昭夫
栃木３区
大田原市、矢板市、那須塩原市、那須烏山市、那須郡が選挙区。
渡辺喜美氏が強固な地盤を築いていたが、2014年にみんなの党の解党に加え８億円の熊手問題など逆風の下で完全落選。地盤は崩れ去った。
その渡辺喜美氏を破った自民党の簗和生氏が2014年、2017年と２連勝している。
今回立憲民主党は新人の伊賀央氏を擁立するが、簗氏には届かないだろう。
当選予想
自民党：簗和生
栃木４区
小山市、真岡市、下野市（旧国分寺町・石橋町域）、栃木市（旧大平町・藤岡町・都賀町・岩舟町域）、芳賀郡、下都賀郡が選挙区。
かつては与党の佐藤勉氏と野党の山岡賢次氏が激しく競い合う選挙区だった。
しかし山岡氏は２００９年に民主党から当選するも２０１２年は未来の党から出馬してあえなく落選。
民主党は山岡氏が離党した後、藤岡隆雄氏を擁立したが、２回連続で惨敗し、前回も藤岡氏は希望の党から出馬して敗れた。
今回藤岡氏は立憲民主党から出馬し、共産党も候補を取り下げることで自民党の佐藤勉氏との一騎討ちという構図になる。
しかし共産党の票を足しても佐藤氏の票には届かず、今回も佐藤氏が勝利すると予想。
当選予想
自民党：佐藤勉
栃木５区
足利市、栃木市（旧大平町・藤岡町・都賀町・西方町・岩舟町域を除く）、佐野市が選挙区。
小選挙区制導入後、自民党の茂木敏充が全勝中。
今回も立憲民主党は擁立を諦め、選挙区を共産党の岡村恵子氏に譲った。
茂木氏の勝利は間違いない。
当選予想
自民党：茂木敏充
群馬県
群馬１区
前橋市、沼田市、桐生市（旧新里村・黒保根村域）、渋川市（旧北橘村・赤城村域）、みどり市（旧勢多郡東村域）、利根郡が選挙区。
小選挙区導入後は自民党の佐田玄一郎氏と尾身幸次氏がコスタリカ方式で当選を続けていた。
2009年は民主党の宮崎岳志氏が選挙区を奪ったが、2012年と2014年は佐田氏が連勝。
そして前回自民党は保守３分裂の危機を乗り越えて佐田氏ではなく尾身朝子氏が公認候補となり勝利した。
その後今回に至るまで自民党は中曽根康隆氏、上野宏史氏が出馬の意向を表明し、公認争いが激化。
党の裁定は今回は中曽根氏を選挙区で公認し、尾身氏と上野氏は比例で出馬ということで決着した。
一方野党サイドも立憲民主党内で公認を巡る争いがあり、結局立憲民主党は候補者を擁立しない空白区となった。
立憲民主党への公認申請が通らなかった宮崎岳志氏は維新から出馬することになり、同じく立憲民主党からの出馬を目指していた斉藤敦子氏も無所属での出馬となる。
さらに共産党も店橋世津子氏を擁立するとなると、この混迷ぶりでは勝てるものも勝てない。
候補者一本化に成功した自民党の勝利となるだろう。
当選予想
自民党：中曽根康隆
群馬２区
桐生市（1区に属さない地域）、伊勢崎市、太田市（旧藪塚本町）、みどり市（旧大間々町・笠懸町域）、佐波郡が選挙区。
かつては自民党の笹川堯氏が当選を重ねていたが、２００９年に民主党の石関貴史氏に敗れ引退。
その後は自民党新人の井野俊郎氏が公認を引き継ぎ、３連勝している。
今回野党サイドは立憲民主党が堀越啓仁氏を擁立し、前回２位だった石関氏は無所属で出馬。
野党サイドはどちらも井野氏を崩すほどの力があるとは思えず、井野氏の勝利は固い。
当選予想
自民党：井野俊郎
群馬３区
太田市（2区に属さない地域）、館林市、邑楽郡が選挙区。
歴史的にも自民党が強い地域で２００９年以外は自民党が全勝している。
最近は自民党の笹川博義氏が３連勝しているが、前回は敗れた立憲民主党の長谷川嘉一氏も比例復活を果たした。
今回も笹川氏と長谷川氏の事実上の一騎討ちという構図だが、前回の約1万5000票差というのを覆すには至らないだろう。
当選予想
自民党：笹川博義
群馬４区
高崎市（旧高崎市・新町・吉井町域）、藤岡市、多野郡が選挙区。
福田家の強固な地盤であり、親子2代で内閣総理大臣となった福田赳夫氏から福田康夫氏、そして現在は康夫氏の息子の福田達夫氏が引き継いでいる。
ここ最近の３回はいずれも福田氏がダブルスコア以上の差で圧勝している。
今回立憲民主党は新人の角倉邦良氏を擁立するが、福田氏相手では勝負にならないだろう。
当選予想
自民党：福田達夫
群馬５区
渋川市（1区に属さない地域）、富岡市、安中市、高崎市（旧群馬町・箕郷町・榛名町・倉渕村域）、北群馬郡、甘楽郡、吾妻郡が選挙区。
小渕恵三元首相から小渕優子氏に地盤が引き継がれ、強力な地盤はまったく衰える気配を見せない。
過去１度も対抗馬に比例復活すら許さず。
今回も立憲民主党は勝負を諦め、選挙区を共産党の伊藤達也氏に譲った。
今回も小渕氏の圧勝が見込まれる。
当選予想
自民党：小渕優子
茨城、栃木、群馬の選挙区予想まとめ
茨城１区：自民
茨城２区：自民
茨城３区：自民
茨城４区：自民
茨城５区：自民
茨城６区：立憲
茨城７区：立憲
栃木１区：自民
栃木２区：立憲
栃木３区：自民
栃木４区：自民
栃木５区：自民
群馬１区：自民
群馬２区：自民
群馬３区：自民
群馬４区：自民
群馬５区：自民
茨城：自民５、立憲２
栃木：自民４、立憲１
群馬：自民５
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