北海道5区補選の結果と分析
北海道5区補選は自民党候補の和田よしあき氏が当選しました。票数は以下の通りです。
和田よしあき 135842票
池田まき 123517票
前回2014衆院選の与党票と野党票は
与党:131394票
野党:126498票
ですから与党は若干伸ばして、野党は若干減らしました。
ただ少なくとも北海道という比較的野党が強い場所で野党統一候補を立てるという条件が揃えば民進党も共産党も票は減らさず、1+1=2が成立するということも言えました。
全国的にこれが当てはまるかは未知数ですが、少なくとも今回の北海道5区補選に関して言えば野党共闘は成功と言えるでしょう。
野党側としては取れるだけの票を取りこぼさずに取り切ったということが言えます。
和田よしあき氏の勝因
北海道5区の各地域の票数を分析することで勝因が見えてきます。
2014年衆院選の結果をベースに与党が強かった地域と野党が強かった地域に分けて、2014年と今年の得票数増減を見てみましょう。
左が2014年に町村氏が獲得した票数、右が今年の選挙で和田氏が獲得した票数です。
与党が強い地域
千歳市:27336→25591
恵庭市:19489→19447
野党が強い地域
厚別区:28167→29292
江別市:26084→28661
北広島市:12876→13491
与野党互角だった地域
石狩市:12000→13103
以上が1万票以上の得票がある地域です。与党が強い地域で票を減らしているけど、野党が強い地域で票を伸ばしたというのが注目ポイントです。
与党が強い千歳、恵庭は自衛隊票がある保守地盤ですから、票数を落としているのは熊本地震への対応のために派遣された自衛官の多くが期日前投票できなかったというのが主な要因だと考えられます。
地震の影響で与党にプラスになった面もあるかと思いますので、地震が全体の得票にどう影響したかは不明ですが、震災による自衛隊票の減少を野党が強い地域で粘れたことでカバーできたことが勝因と言えるでしょう。
野党共闘は成功するか
今回のケースでは民進党と共産党の票が足されても逃げる票があまりないという結果になりました。
しかし裏を返せば野党共闘で1+1=2以上になることはまずない、ということも言えるかと思います。
比較的野党が強い北海道で無所属の野党統一候補という条件が合わさっても1+1=2にするのが限界だったわけですから、全国的にもこれが当てはまると判断するのは早計です。
私は野党共闘に関する懸念という記事で野党共闘をしても1+1=2にはならないと書きました。
しかし今回の選挙では予想を裏切られました。
与党側の理想としてはもう少し差をつけて勝って野党共闘をぶち壊したいところだったでしょう。
その目論見を阻止して民進党と共産党が組んでも票を逃がさなかったというのは一定の成果と言えそうですが、それでも1+1=2以上にはならなかったというのは野党にとっても頭の痛いところ。
そもそも今は野党共闘して1+1=2以上にならなければ政権交代などまず不可能な情勢であり、政権奪取が不可能ならわざわざ政策の一致しない政党と組む意味があるのかという意見も出てくるでしょう。
今回の北海道5区補選を総括するならば、野党にとっては最低限の成果は出したものの、夏の選挙に向けてはまだまだ厳しい状況に置かれているという結果になりました。
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