京都3区補選の結果と分析

京都3区補選の結果と分析

京都3区補選は民進党の泉健太氏が当選しました。政党別獲得票数を2014年衆院選と比較してみましょう。

 

 

2016補選

 

民進:65051
維新:20710
日こ:6449

 

 

2014衆院選

 

自民:59437
民主:54900
共産:26655
維新:24840

 

 

前回トップの自民は宮崎議員辞職の悪影響から厳しい情勢と判断して候補者を擁立せず。

 

また共産党も自主投票を決めたことで、投票率も30.12%と戦後最低を記録。

 

現職の強みを活かした泉氏が事前の予想通り勝利しました。

 

 

戦略見直しを迫られるおおさか維新

 

自民党が候補者を出さなかったことで自民党の票を自党の票に取りこみたかった維新と日こころですが票数は伸びず。

 

自民党の候補者の多くは棄権し、保守政党としても自民党の代わりにはなれませんでした。

 

 

おおさか維新は前回より4000票ダウン。

 

票を落としたことはおおさかという政党名が京都で受けなかったことや橋下氏がいなくなった影響などで説明できますから、そこまで悲観すべき内容でもありません。

 

ただ橋下氏抜きでおおさかという党名を掲げて全国で戦うのは厳しいということが明らかになった結果とも言えます。

 

 

2014衆院選の比例票をベースに考えると、この夏の参院選では京都、愛知、東京、広島などでも議席を狙えますので、党名を日本維新に戻すなどの手を打つことも考えなければいけないでしょう。

 

おおさか維新の名前で参院選を戦うなら大阪で2、兵庫で1、比例で4〜5と一桁の議席に留まる可能性が大きいです。

 

 

おおさか維新の国政における当面の目標は自公だけでは改憲ラインには届かないけどおおさか維新が加われば届く、という状況を作り出して憲法改正のキャスティングボードを握ること。

 

そして自公の憲法改正発議に協力することと引き換えに、大阪都構想の再挑戦などやりたい政策を実現させるために自公の支援を得る、という戦略を描いているはずです。

 

そのためには自らが議席を落としたことで改憲ラインに届かず、というのでは意味がありませんから参院選での大敗は避けたいところ。

 

 

愛知で連携するという報道が出ている減税日本の河村代表なども「おおさかのままでは合流は難しい」というコメントを出していますから、参院選での議席積み増しを狙うなら党名変更は考えなければならないでしょう。

 

 

京都では野党票の足し算は成立せず

 

北海道では足し算が成立しましたけど京都では成立していません。

 

北海道では今回無所属の野党統一候補という戦い方ができましたが、比例復活がある衆院本戦では野党統一無所属なんてことはやりづらい。

 

野党が協力するにしても民進公認共産推薦や民進公認共産自主投票という候補者がほとんどになるでしょう。

 

つまり衆院の野党共闘を考えるならば北海道より京都の例がモデルケースとしては近いです。

 

 

そして共産党の協力を断った民進党の泉候補に対して共産党支持者の多くは棄権し、投票に行った中でも泉氏に投票したのは7割ほど。

 

単純な足し算が成立した北海道に対して、京都は単純足し算から15000票ほど減らしています。

 

 

この事実をきちんと受け止めないと野党側は厳しい戦いになります。

 

北海道で接戦だとか京都でトリプルスコアで勝ったとかそういう目先のことだけを見ていては痛い目みます。

 

 

参院選での共闘は北海道のケースをある程度当てはめることができますが、衆院選では京都のケース、つまり野党共闘成立せずというケースが多くなることが予想されます。

 

もし安倍首相がダブル選を仕掛けて来たら野党は衆院でも共闘して戦えるのか。

 

大勝しましたがなお野党側に宿題を残す京都3区補選となりました。

 

 

 
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