参院選複数区の最適戦略2 4人区&6人区編

参院選複数区の最適戦略2 4人区&6人区編

前回に引き続き参院選複数区の最適戦略分析です。

 

本日は4人区以上の選挙区について改憲派と護憲派それぞれの立場から分析します。

 

 

改憲政党と護憲政党の分類

 

改憲政党・・・自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党、新党改革

 

護憲政党・・・民進党、共産党、社民党、生活の党の山本太郎と仲間たち、国民怒りの声

 

 

4人区戦略

 

まずは神奈川。

 

神奈川は自民党の三原氏、公明党の三浦氏までは有力で残り2枠を自民党推薦の中西氏、民進党の金子氏、真山氏、共産党の浅賀氏が争う混戦となっています。

 

改憲派の最適戦略は単純で、4枠中3人を改憲派で占めることが目標になりますから中西氏に投票するのが最適戦略。

 

中西氏、金子氏、真山氏、浅賀氏の中で改憲派政党に属するのは中西氏のみですから唯一の選択肢です。

 

 

なお維新から丹羽氏も出馬しますが現状当選はかなり厳しい。

 

丹羽氏に投票しても死に票になる可能性が高いので丹羽氏に投票するよりは中西氏に投票する方が改憲派で4枠中3議席獲得できる可能性が高くなります。

 

 

対して護憲派は中西氏の当選を阻止するために4枠中2人を送り込みたい。

 

つまり金子氏、真山氏、浅賀氏のうち2人を当選させる戦略が必要になります。

 

この3人の中で一番不利だと見られているのが真山氏なので、最適戦略を考えるならば民進党の組織票は金子氏に固めて、それ以外の左派票を浅賀氏にまとめるのがベスト。

 

 

真山氏は元みんなの党ということで同じ元みんなの中西氏の票を削ってくれる効果もありそう。

 

真山氏が予想よりも中西氏の票を奪うことができるのであれば逆に金子氏と真山氏に票を集める戦略もありかもしれません。

 

ただ共産党支持者が自党の候補を差し置いて民進党2人当選のために協力することは考えにくいので、やはり金子氏と浅賀氏を当選圏内に入れることを考えるのが一番確率が高いでしょう。

 

(金子氏は政策スタンスとしては改憲派ですが、党議拘束も考慮して今回は護憲派に分類しています)

 

 

続きまして愛知。

 

こちらも4議席のうち自民党の藤川氏、公明党の里見氏が当選有力で残り2枠。

 

これを民進党の斎藤氏、伊藤氏、共産党の須山氏、減税日本とおおさか維新の共同公認の奥田氏の4人で争います。

 

改憲派のスタンスはこちらも単純で奥田氏に投票するのが唯一にして最適な戦略。

 

奥田氏を当選させることができれば4議席中3議席を改憲派政党で占めることができます。

 

 

護憲派の最適戦略は民進党の2人に票を集中させること。

 

政党の基礎票と現在の情勢を鑑みると民進党の2人はどちらも4位以内に入っているため、票割さえきちんと行えば2人当選できます。

 

現在は斎藤氏の方に票が多く集まっていると考えられるため、伊藤氏に投票することが護憲派陣営の最適戦略でしょう。

 

 

次に大阪。

 

維新が圧倒的に強い大阪では維新の浅田氏が頭一つリード。

 

維新2人目の高木氏、自民党の松川氏、公明党の石川氏、民進党の尾立氏、共産党の渡部氏が残りの3議席を争う大接戦になっています。

 

改憲派の目標は維新、維新、自民、公明と4議席を改憲派で独占することですから、ほぼ当選確実の浅田氏を除いた高木氏、松川氏、石川氏を当選させればいい。

 

つまり維新支持者は高木氏、自民支持者は松川氏、公明支持者は石川氏に投票することが最適戦略となります。

 

 

護憲派の目標は改憲派の独占を阻止すること。つまり尾立氏か渡部氏を当選圏内に押し上げればいい。

 

ここは正直一本化を図った方が良いと思われます。

 

 

府議会市議会合わせても議員が1人しかおらず党組織が壊滅している民進党はかなり厳しく、共産党に一本化した方が良さそうに思えます。

 

しかし現職の尾立氏を降ろさせるわけにもいきませんから、共産党が自主的に引いて尾立氏を押し上げるという戦略もあり。

 

尾立氏、渡部氏の2人をどちらも当選させることができればそれがベストですが、現在の情勢ではかなり厳しそうです。

 

 

6人区戦略

 

6人区の東京は候補者が乱立しておりますが、考え方としては意外と簡単。

 

まず自民党の中川氏、民進党の蓮舫氏、公明党の竹谷氏、共産党の山添氏までは当選有力で残り2枠。

 

維新の田中康夫氏も知名度があり無党派層を集められそうなので残り1枠を自民党の朝日氏と民進党の小川氏で争う構図になりそうです。

 

 

つまり結論は単純で改憲派は朝日氏、護憲派は小川氏に投票することが最適戦略になります。

 

ただ蓮舫氏が東京都知事に出馬という話も出ており、その場合は状況が変わってきます。

 

もしそうなった場合は小川氏が当選圏内に上がるでしょうから、民進党が別の候補者を立てなければ朝日氏も順当に当選する無風区に。

 

民進党が蓮舫氏の代わりとなる候補者を立てるとしたらその民進党候補者と朝日氏の争いになります。

 

この場合でもやはり改憲派は朝日氏に、護憲派は民進党2人目に投票することが最適戦略になると思われます。

 

 

 
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