2016参院選で野党共闘は機能したか
参院選は野党共闘の成果が問われた選挙でもありました。
結果を見ると接戦だった一人区の多くを取り、合計11勝という成果を挙げることができました。
当選するか落選するかが全てですから、結果を見ると野党共闘は機能したと評価していいでしょう。
しかし野党共闘したから今後も勝てるかどうかは別の話です。
票の増減はきちんと分析しなくてはなりません。
なので2013参院選、2014衆院選比例の得票と2016参院選の得票を比較して検討してみることにします。
(幸福実現党はどちらにも含めず。野党系無所属は野党の票に足しています)
東北ブロック
青森
2013与党:261575
2014与党:248550
2016与党:294815
2013野党:241312
2014野党:257151
2016野党:302867
共闘は機能しています。しかし与党も増やしている。接戦効果ですね。
岩手
2013与党:161499
2014与党:221634
2016与党:252767
2013野党:442992
2014野党:358231
2016野党:328555
野党は少し減らしています。与党は伸ばしています。
宮城
2013与党:421634
2014与党:439630
2016与党:469268
2013野党:511827
2014野党:470496
2016野党:510450
共闘は機能しています。2013のみんなの和田氏票、2014旧維新の票も野党に乗っています。
秋田
2013与党:260846
2014与党:232252
2016与党:290052
2013野党:230868
2014野党:248666
2016野党:236521
共闘は機能しています。しかし与党の伸びの方が凄い。
山形
2013与党:272779
2014与党:274782
2016与党:223583
2013野党:285758
2014野党:258844
2016野党:344356
共闘は機能しています。というより野党は2013と同じ候補なのに6万票伸ばしているので東北では共闘効果というよりもTPPなどの情勢変化の影響が大きいとも推測されます。
福島
2013与党:484089
2014与党:350719
2016与党:432982
2013野党:354044
2014野党:462743
2016野党:462852
共闘は機能しています。しかし与党も2014比で相当伸ばしています。
関東ブロック
栃木
2013与党:376553
2014与党:422355
2016与党:484300
2013野党:401826
2014野党:359840
2016野党:314401
民進+共産の共闘は成立していますが、2014の維新票はあまり乗っていません。。与党の伸び方が大きいです。
群馬
2013与党:580144
2014与党:441668
2016与党:527371
2013野党:215630
2014野党:364419
2016野党:248615
民進+共産の共闘は成立していますが、2014の維新票はあまり乗っていません。
山梨
2013与党:142529
2014与党:194929
2016与党:152437
2013野党:232352
2014野党:199157
2016野党:173713
無所属の米長氏が票を割っているので純粋な評価はできません。2014から大きく落とした自民の戦略ミスでしょう。
北陸甲信越ブロック
新潟
2013与党:456542
2014与党:455688
2016与党:558150
2013野党:584151
2014野党:534317
2016野党:560429
共闘は機能しています。しかし与党が10万票伸ばして追い上げたのも凄い。
富山
2013与党:328638
2014与党:236338
2016与党:339055
2013野党:79078
2014野党:169531
2016野党:134212
民主+共産の共闘は成立していますが、旧維新の票は乗っていません。
石川
2013与党:321286
2014与党:240022
2016与党:328013
2013野党:164226
2014野党:202864
2016野党:191371
共闘はある程度機能しています。
福井
2013与党:237732
2014与党:179459
2016与党:217304
2013野党:92009
2014野党:131410
2016野党:131278
共闘は機能しています。
長野
2013与党:365115
2014与党:362633
2016与党:499974
2013野党:607754
2014野党:575142
2016野党:574052
共闘は機能しています。しかし与党が10万票以上伸ばしていることも見逃せません。
東海・近畿ブロック
岐阜
2013与党:500580
2014与党:427855
2016与党:531412
2013野党:333577
2014野党:421429
2016野党:389681
共闘はある程度成立しています。
三重
2013与党:373035
2014与党:387784
2016与党:420929
2013野党:462129
2014野党:424192
2016野党:440776
共闘は機能しています。与党も大きく票を伸ばしています。
滋賀
2013与党:305872
2014与党:263609
2016与党:332248
2013野党:253986
2014野党:324463
2016野党:291290
共闘はある程度機能しています。
奈良
2013与党:354658
2014与党:304573
2016与党:292440
2013野党:231384
2014野党:176027(旧維新票は除く)
2016野党:216361
維新が擁立しているので野党共闘にはなっていません。民主+共産はある程度機能しています。
和歌山
2013与党:337477
2014与党:214148
2016与党:306361
2013野党:83172
2014野党:193718
2016野党:115397
民主+共産は機能していますが、旧維新の票は乗っていません。
中国・四国ブロック
鳥取・島根
2013与党:362964
2014与党:341940
2016与党:387787
2013野党:249773
2014野党:239906
2016野党:214917
共闘はある程度機能。合区になっても票を伸ばしている与党に注目です。
岡山
2013与党:490727
2014与党:440596
2016与党:437347
2013野党:246319
2014野党:329711
2016野党:329501
共闘は機能しています。
山口
2013与党:455546
2014与党:384961
2016与党:394907
2013野党:95480
2014野党:222231
2016野党:183817
民主+共産は機能していますが、旧維新の票は乗っていません。
香川
2013与党:233270
2014与党:220175
2016与党:259854
2013野党:177009
2014野党:177350
2016野党:104239
共闘は機能していません。共産系候補に一本化しても民進票はそれほど乗らないようです。
愛媛
2013与党:373047
2014与党:314788
2016与党:326990
2013野党:172910
2014野党:251880
2016野党:318561
共闘は成立しています。野党の票が伸びたのは候補者が良かったからでしょう。
徳島・高知
2013与党:338836
2014与党:304513
2016与党:305688
2013野党:258406
2014野党:290560
2016野党:242781
共闘はある程度機能しています。
九州ブロック
佐賀
2013与党:223810
2014与党:201968
2016与党:251601
2013野党:114367
2014野党:178273
2016野党:119908
共闘はあまり機能していません。
長崎
2013与党:359805
2014与党:306604
2016与党:336612
2013野党:232040
2014野党:261451
2016野党:285743
共闘は機能しています。
熊本
2013与党:450617
2014与党:407102
2016与党:440607
2013野党:280535
2014野党:296997
2016野党:269168
共闘はある程度機能しています。
大分
2013与党:250915
2014与党:261787
2016与党:270693
2013野党:236840
2014野党:262399
2016野党:271783
共闘は機能しています。
宮崎
2013与党:314599
2014与党:268523
2016与党:282407
2013野党:124116
2014野党:177624
2016野党:152470
共闘はある程度機能しています。
鹿児島
2013与党:403450
2014与党:388495
2016与党:438499
2013野党:270499
2014野党:281253
2016野党:216881
民主+共産は機能していますが、旧維新の票は乗っていません。
沖縄
2013与党:261392
2014与党:236484
2016与党:249955
2013野党:294420
2014野党:316868
2016野党:356355
共闘は成立しています。オール沖縄側はますます勢いを増しています。
以上全一人区を精査してみました。
傾向と見ましては野党共闘はかなり票の足し算が成立している。
しかしそれによって接戦になった区でも自民支持者が頑張り、軒並み票を伸ばしている。
この2点が言えるかと思います。
今回の参院選に関しては野党共闘は一定の成果を挙げたと評価して問題ないでしょう。
しかし憲法改正反対、2/3阻止という部分で結束できたということもあるでしょう。
これが衆院選、つまり政権選択選挙になった場合、同じように野党共闘を成功させるには政策のすり合わせと政権のビジョンをきちんと示すことが必要になってくるのではないかと思います。
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