各党の改憲スタンス-憲法改正論
2016参院選では改憲を志す政党・議員で憲法改正の発議が可能な2/3の議席を獲得しました。
これにより衆議院、参議院ともに改憲勢力が2/3を占めたことになり、現実的に憲法改正の発議が可能となりました。
ここで気になるのが、各党が憲法改正に対してどのような考え方を持っているかだと思います。
ですので、各党の改憲スタンス・考え方を私なりにまとめてみました。
自民党
立党以来憲法改正を党是にしています。
2012年にも憲法改正草案を発表しました。
しかしこの草案は野党時代に発表したものです。
支持層となる保守層に対するアピールとしてエッジを利かせて作成したものであり、この草案をそのまま通す気はないということを明言しています。
本音としては憲法9条の改正も行いたいと思っているはずですが、まだ議論が深まっておらずできないだろうと現実的に考えているはずです。
現在のスタンスとしては現行憲法も尊重しつつ、より良い憲法にできる改正はないかを模索していこうという立場でしょう。
おそらく野党や国民から反対意見が出にくく必要性も伝えやすい、災害時の議員任期延長を定めた緊急事態条項の創設などを視野に入れていると思われます。
公明党
現行憲法は現時点で変える必要性はないという護憲の立場です。
しかし日本国憲法発布から70年経ち、時代が変化していくと共に新たな価値観に基づいた条文を追加していく必要はあるという加憲という考え方を取っています。
具体的には環境権の創設などを提唱しています。
おおさか維新の会
改憲政党の中でもっともわかりやすいスタンスなのがおおさか維新の会です。
・高等教育の無償化
・道州制
・憲法裁判所の設置
という3本を柱にした憲法改正草案を発表しております。
また9条については現時点で早急に変える必要はないとの立場を取っています。
日本のこころを大切にする党
「長い歴史と伝統を持つ日本の国柄と日本人のこころを大切にした、日本人の手による自主憲法の制定を目指す」
としています。
どこの条文をどう変えようということではなく、日本人自らの手で0から新しい憲法を作り上げていこうという立場です。
民進党
護憲派も改憲派も多くおり、党内の意見はまとまっていません。
2016参院選での公約では、
「新しい人権」や「統治機構改革」など時代の変化に対応した未来志向の憲法を国民とともに構想する、
というやや曖昧な内容になっています。
また自民党改憲草案に基づいた安倍政権下での改憲には反対と主張しています。
共産党
護憲を主張しています。しかし党是としては、
「私たちは、目標としては民主主義の精神、人間の平等の精神にたって、天皇制をなくす立場に立ちます。」
「将来的には天皇制のない民主共和制をめざすべき」
としており、立場上は将来的な憲法1条改正を主張しています。
その他の政党、議員
社民党、生活の党と山本太郎と仲間たち、は護憲の立場です。
日本を元気にする党のアントニオ猪木氏と山口和之氏は改憲に賛成の立場です。
また無所属議員を分類しますと、衆議院では
鈴木貴子氏、小泉龍司氏、浅尾慶一郎氏、長崎幸太郎氏、武藤貴也氏、松本剛明氏、上西小百合氏、野間健氏
参議院では
平野達男氏、行田邦子氏、松沢成文氏、薬師寺道代氏、渡辺美知太郎氏
以上の議員が改憲に賛成の立場です。