比例復活と供託金
衆議院の小選挙区には単純な勝ち負け以外に比例復活というラインもあります。
これは衆院小選挙区に出馬する候補者は比例区でも出馬する重複立候補が可能なため生じるもう一つの当選ラインのことです。
衆院の比例は名簿順位が決められている拘束名簿式といって、順位が上の候補者から順番に当選していくのですが、多くの場合、小選挙区に出馬する候補者は同率一位や二位など上位になります。
そして名簿順位が同じ候補者同士は小選挙区の惜敗率でどちらが当選するかが決まります。
惜敗率というと言葉は難しく聞こえますが、簡単に言えば「負けたけど接戦に持ち込んだ」候補から順番に当選していくわけです。
つまりたとえ負けたとしてもなるべく多く票を獲得しておけば、小選挙区で落ちても復活できる可能性があるということです。
供託金
また供託金没収ラインというものもあります。
供託金は選挙に出馬する時に国に預けるお金で、たとえば衆議院の小選挙区では300万円かかります。
そして多くの選挙では総得票数のうち10%獲得したらこのお金を返してもらえます。
つまり勝ち目がない状況でもせめて10%取らせて供託金没収を防ぐ、というのも投票動機の一つになり得ます。
このように比例復活や供託金という制度があるため、単純な勝ち負けではないことが小選挙区の面白いところです。
仮に応援している候補が不利であっても、1票でも積み増して得票数を上げれば比例復活させることができます。
また応援している候補がまったく当選に絡まない泡沫レベルだったとしても10%の票を取らせることで供託金没収を回避させることもできます。
なので仮に自分が応援している候補が勝ち目が無さそうだとしても投票に行く価値はあるということですね。