蓮舫氏の二重国籍問題解説

蓮舫氏の二重国籍問題解説

蓮舫氏の二重国籍問題が波紋を広げています。

 

今回の問題をわかりやすく解説してみようと思います。

 

まず今回の経緯をまとめますと

 

 

1、蓮舫氏は台湾人の父と日本人の母から生まれ、当時は旧国籍法だったため父の国籍が優先され、台湾人として生まれた

 

2、国籍法が改正され母の国籍である日本国籍を取得できるようになったため、18歳の時に日本国籍の取得を行った

 

3、それと同時に台湾国籍の離脱も行った。しかし父に手続きしてもらったため、本当に国籍離脱できているかはわからない

 

 

このような経緯から二重国籍ではないかという疑惑が出てきたわけです。

 

 

国籍法の問題

 

さてまずこの問題を法的見地から考えます。関連する法律は国籍法14条及び16条です。

 

 

第十四条 

 

外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

 

2 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

 

 

第十六条

 

選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。

 

 

つまり日本国籍を選択した時点で外国籍の離脱に努める義務があるわけです。

 

蓮舫氏は「当時は未成年だったし中国語もわからなかったので父にやってもらった」ということを述べています。

 

 

もちろん離脱の手続きがきちんと出来ていたのであれば問題ありませんが、もし出来ていなかった場合は第十六条の離脱に努める義務を果たしていないと判断されてもおかしくありません。

 

第十六条の義務は国籍選択した本人にかかる義務ですから、「父に任せたが実際に手続きができているかはわからない」という蓮舫氏の行動は義務を果たしていないと見なされる可能性が高い。

 

 

第十六条は罰則がない努力規定ですから一般人であれば特に問題とされることもないのでしょうが、国会議員という身分でありながら国籍法に違反している疑いがあるというのはやはり問題でしょう。

 

 

公職選挙法の問題

 

台湾の国籍法11条では台湾国籍の離脱は満二十歳以上でなければできないとのことです。

 

つまり18歳で離脱の手続きをしたという蓮舫氏の発言との整合性にも問題があります。

 

 

仮に18歳で離脱の手続きをしたというのが虚偽であり、二重国籍状態のまま台湾国籍は無いと偽り選挙に出馬したのであれば、公職選挙法235条の「虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。 」という罰則に該当する可能性が出てきます。

 

 

「確認が取れていないので念のためもう一度国籍離脱の手続きをした」

 

とのことですが、本当に18歳で国籍離脱していたのか、それとも今まで国籍離脱ができていなかったのかは大きな違いがあります。

 

改めて国籍離脱の手続きをしたから良し、ということではなくきちんといつの段階で台湾国籍を離脱したかは確認して説明する義務があると思います。

 

 

国会議員の資質としての問題

 

最後に国会議員としてどうなのかという問題です。

 

「父に手続きをしてもらったから大丈夫だろう」というのは一般人の基準であればまったく問題ないでしょう。

 

蓮舫氏は当時未成年だったわけですから、当時はそれで問題無かった。

 

 

ただ国会議員という立場になるのであれば違います。

 

日本国の国会議員になる以上は「台湾国籍離脱をあの時お父さんにやってもらったけど、自分ではわからなかったから念のため確認しておこう」と考えて出馬前にあらかじめ確認しておくべきではないでしょうか。

 

それをせず今まで放置してきたというのは蓮舫氏の怠慢であると思います。

 

 

蓮舫氏は民進党の代表有力候補と言われており、政権を取ることを目標にしているわけですから蓮舫氏が総理大臣になる可能性もあるわけです。

 

仮に日本と台湾の二重国籍者が総理大臣になった場合、日本と台湾の外交問題が生じた時にきちんと日本の国益に沿った外交をしてくれるかどうか不安に思うのは自然なことでしょう。

 

 

政治家として有権者の信任を得て日本のために頑張っていこうと思うのであれば、いつ国籍離脱が完了したかという確認をしっかりして国民に説明して欲しいなと思います。

 

 

追記

 

朝日新聞の記事で

 

・日本政府は台湾と国交がないため、日本国内で台湾籍を持つ人には、中国の法律が適用されるとの立場をとる。

 

・中国の国籍法は「外国に定住している中国人で、自己の意思で外国籍を取得した者は、中国籍を自動的に失う」などと規定しており、中国法に基づけば、蓮舫氏が日本国籍を取得した85年の時点で、中国籍を喪失したという解釈が成り立つ余地がある。

 

 

と報道されています。しかし

 

 

・日本の国籍法は、日本国民であることを選びながら外国籍も持つ人について「外国の国籍の離脱に努めなければならない」と定める。

 

・日本政府が国籍は一つだけであることが望ましいとする「国籍唯一の原則」をとっているためで、努力義務にとどめている。

 

・努力規定とはいえ、首相を目指す政治家として、政治的にその妥当性が問われる可能性はある。

 

 

とも報道されており、やはり台湾側に台湾籍が残っているのであれば、除籍手続きを取るべきでしょう。

 

努力義務とはいえ手続きをしないのであれば努力義務を怠っていることになりますから、やはり国籍法16条の問題は生じる余地があると思われます。

 

 

 
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